寡黙に、直向きに山と生きる男たちを描く 渾身のドキュメンタリー映画

悠久の時を超えて、飛騨の山に生きる木樵(きこり)たちの物語。
伐って、植えて、育てる。その木を伐るのは孫の世代。
「山を護る木樵(きこり)って、カッコいい」

舞台は9割が山林に覆われる山国、岐阜県飛騨地方。
およそ50年間、木樵(きこり)の仕事で生計を立てている高山市滝町の面家(おもや)一男さんと弟の瀧根(たきね)清司さん2人とその家族、弟子たちの日常を1年にわたり追い掛けたドキュメンタリー映画である。
兄弟が木樵(きこり)として働く姿を通して、林業がその土地と深く繋がっている様や、緩やかに流れる時間の中で森林と共に生活する「山の暮らし」の継承を描いている。
宮﨑監督は「この映画は林業の現状を訴えるために撮ったのではない」と強調する。林業の最盛期に木樵(きこり)になり、状況が厳しくなるばかりの中で仕事を続ける兄弟は「経済的に苦しい時もあったかもしれない」。それでも彼らと過ごして感じたのは、「とても豊かな人生を過ごしているということ。観た人にもそれが伝われば」と願う。
山と生きる人たちのひたむきな姿勢は、私たちの今後の生き方にヒントを与えてくれるのではないか。